Saturday 19 January 2008

詩人(ライナー・マリア・リルケ)

きみはおれから立ち去ってゆく、時間よ。
きみの翼の一撃がおれを打ちのめす。
ただひとり。おれは自分のこの口をどう使えばいい?
おれの夜を? おれの昼を?

おれには愛人もなく、家もなく、
特に生きている場所があるわけではない。
それでもすべてのものは、おれが自分を譲りわたすとき、
ゆたかさを増し、おれを使ってくれる。

(Rainer Maria Rilke, Der Dichter)