Thursday 3 January 2008

フィリップ・ラーキンを2つ

お正月の余興に、Philip Larkinのごく短い詩を二つ、親子で「競訳」してみました。KSがぼくのもの、ASが息子のものです。いうまでもなく、どちらも「正解」からは、ほど遠いに違いありません。訳詩は訳者の数だけあり、しかも時とともに変わってゆくものでしょう。<年ごとの新しい目>によって! 

"New eyes each year"

年ごとに新しい目だ
ここで古い本を見つけ、
新しい本も見つけて、
古い目が新しくなる。
そして若さと年齢は
インクとページのように
この家でひとつになって、
新しい硬貨を作る。(KS)

毎年新たな目が
ここで古い本や
新しい本を見つけ
古い目を新しく塗り替える
だから老いも若さも
この家では
インクと紙のように結びつき
新たな金貨を鋳る (AS)

"The daily things we do"

私たちが日々おこなうことは
お金のためでも楽しみのためでも
朝露のように消えることもあれば
硬くなって生き延びることもある。
奇妙な相互依存。
私たちが起こした出来事が
こんどは私たちを生み、
私たちの記憶となるのだ。(KS)

金や娯楽のための
我々の日々の営みは
露となって消え
あるいは強固に永らえるかもしれない
奇妙な相互関係
我々が引き起こす状況が
時と共に我々を興し
我々の記憶となる (AS)