Monday 28 January 2008

十時の幻滅(ウォレス・スティーヴンズ)

その家々にはよく出るんだ
白いナイトガウンが。
緑のものはなく、
紫で緑の輪がついたものもなく、
緑で黄色い輪がついたものもなく、
黄色で青い輪がついたものもない。
見慣れないものなど何もなく、
レースの靴下と
ビーズの腰帯をつけている。
人々はヒヒや巻貝の夢
など見ない。
ただ、そこここに、一人の老水夫が、
酔っぱらい ブーツをはいたまま居眠りしつつ、
虎を捕獲する
赤い天候の下で。

(Wallace Stevens, Disillusionment of Ten O'clock)