Friday 11 January 2008

火山からの絵葉書(ウォレス・スティーヴンズ)

私たちの骨を拾う子供たちは
それらがかつては丘の上の狐たちとおなじくらい
敏捷だったことなどけっして思いもしない。

そして秋になって葡萄がぴりっとした
空気をその匂いで余計に研ぎすますとき
これらの骨が存在を持ち、霜を吐いていたことも。

そしてこんな骨とともに私たちがはるかに
多くのものを残していったことなど少しも考えないだろう、
いまなおある事物の外見や、何かを見て

私たちが感じたことを残していったとは。春の雲が
閉めまわした邸宅の上を流れている、
私たちの門や風の強い空のむこうを。

教養のある絶望を発している。
私たちは長いことこの邸の外見を知っていて
それについて私たちが語ったことは

そのものの一部となった... 子供たちは、
まだ芽ぐんだ光輪を編んでいるところだが、
私たちの言葉を話すくせに知ることはないだろう、

この邸について、どうもそこに住んだ男は
空っぽの壁で暴れる霊を
残していったみたいだねというだろう、

はらわたを抜かれた世界の、一軒の汚い家、
白くやつれたぼろ切れのような影たちが、
ふくよかな太陽の黄金に汚れている。

(Wallace Stevens, A Postcard from the Volcano)