Tuesday 8 January 2008

黒の支配(ウォレス・スティーヴンズ)

夜に、火のそばで、
やぶと落ち葉の
色合いが、
みずからを反復しながら、
部屋の中で回っている、
まるで落ち葉それ自身が
風の中でくるくる回るように。
そう。けれども重いヘムロックの色彩が
どすんどすんとやってきた。
それで私は孔雀たちの啼き声を思い出した。

かれらの尾の色は
風の中でくるくる回る
落ち葉そのものの色に似ていた、
黄昏の風の。
かれらは部屋を飛び回った、
ヘムロックの枝から
地面へと飛んで降り立つように。
私はかれらが啼くのを聞いたーー孔雀たちが。
それは黄昏に対抗する啼き声だったのか
落ち葉そのものに対抗するものだったのか、
風の中でくるくる回る、
火の中で炎が
回るように回る、
まるで孔雀の尾羽が
音を立てる火の中で回るような、
孔雀の啼き声にみちた
ヘムロックとおなじくらい大きな音の?

窓の外には、
惑星たちが集うのが見えた
風の中でくるくる回る
落ち葉そのもののように。
どんな風に夜がやってくるのかを見た、
重いヘムロックの色のようにどすんどすんと。
私は恐れを感じた。
それで私は孔雀たちの啼き声を思い出した。

(Wallace Stevens, Domination of Black)