Thursday 10 January 2008

おれたちは太陽に選ばれた者だった(ビセンテ・ウイドブロ)

おれたちは太陽に選ばれた者だったのに
それがわかっていなかった
もっとも高みにある星に選ばれていたのに
その贈与に答える術を知らなかった
無力であることの苦悩
水がおれたちを愛し
大地がおれたちを愛した
森はおれたちのものであり
エクスタシーがおれたち固有の空間だった
きみのまなざしは目の前にひろがる宇宙
きみの美しさは夜明けが立てる音響
木々が愛した春
けれども今のおれたちはひとつの感染的なさびしさにすぎない
時が熟さぬうちに迎えた死だ
自分がどこにいるのかわからずにいる魂
稲妻も光らない骨の中の冬
こうしたすべてはきみが永遠とは何かを理解しなかったからであり
おれの魂という魂をきみが理解しなかったからだ
暗い舟に乗っているそいつを
無限により傷つけられた鷲の王座にいるそいつを

(Vicente Huidobro, Eramos los erigidos del sol)