Sunday 20 January 2008

角笛(ギヨーム・アポリネール)

われわれの歴史は高貴で悲劇的
まるで暴君の顔のように
偶然や魔法の筋書きなどない
どうでもいい細部などどこにもない
おれたちの愛を悲壮なものとするような

そしてトマス・ド・クインシーはオピウム
甘美で清純な毒を飲みながら
哀れなアンの夢を見続けた
行こう行こうすべては過ぎゆくのだから
おれは何度でも帰ってくるつもりだ

思い出はすべて角笛
その音は風にかき消され

(Guillaume Apollinaire, Cors de chasse)