Wednesday 9 January 2008

別離のソネット(ヴィニシウス・ジ・モライス)

突然、笑いがすすり泣きになる
霧のようにしずかで白く
むすばれた二つの口は泡となってはじけ
ひろげた手はびっくりしている。

突然、しずけさが風になる
目に宿る最後の炎を消す
情熱は予感に変わり
静止した時がドラマになる。

突然、何のまえぶれもなく
恋人はたださびしくなって
みちたりていた彼はひとりになる。

親密なともだちが遠ざかり
人生はさまようだけの冒険となる
突然、何のまえぶれもなく。

(Vinícius de Moraes, Sonêto de separação)