彼は世界を彼の鼻の上に載せ
そしてこんなふうにして彼は投げ捨てた。
彼の衣裳と象徴ときたら、あいやいやい----
そしてそんなふうにして彼は世界をくるりと回した。
樅の木のように暗く、液体の猫たちが
音を立てずに草の中で動いた。
草がぐるりと回っていることをかれらは知らなかった。
猫は猫を捕らえ草は灰色になり
世界は、あい、こんなふうに、諸世界を捕らえた。
草は緑になり草は灰色になった。
そして鼻は、あんなふうに永遠なのだ。
あるがままの事物、あるがままの事物、
いつかしだいにそうなるであろうがままの事物......
一本の太い親指があいやいやいと拍子をとる。
(Wallace Stevens, The Man With the Blue Guitar)