Sunday, 13 January 2008

ある夕方(ギヨーム・アポリネール)

大天使たちの白い空から一羽の鷲が降りてきた
 おれを支えてください
これらすべての街路灯をまだ震えさせておくのですか
 祈って おれのために祈ってください

この街は金属的でただ一つの星は
 きみの青い目で溺れている
路面電車が走るとき見すぼらしい
 鳥たちの上に青白い火がほとばしる

そしてきみの目の中で震えるおれの夢の
 すべては たったひとりの男が飲んだもの
偽タマゴタケのように赤いガス灯の下で
 着衣のきみの腕は体に巻きついていた

ごらん 軽業師が注意深い観客に舌を出す
 一人の幽霊が自殺した
使徒はいちじくの木で首を吊りゆっくりよだれを垂らす
 この恋はサイコロに賭けよう

透んだ音の鐘たちがきみの誕生を告げていた
 ごらん
道に花が咲き椰子の木々が進む
 きみにむかって

(Guillaume Apollinaire, Un soir)