秋の牧場は有毒だが美しい
牛たちはそこで草を食み
緩慢に中毒してゆく
殴られた痣かリラの色をしたいぬサフランが
そこで花咲き きみの目はその花に似ている
花の痣のようにこの秋のように紫がかっている
おれの人生はきみの目に緩慢に中毒する
小学生たちが大騒ぎしながらやってくる
スモックを着てハーモニカを吹いてかれらは
母親つまり娘の娘みたいないぬサフランを摘む
それはきみの目蓋の色をしている
狂った風が叩く花みたいにばたばた開閉する目蓋
牧童がごく小さな声で歌っている
一方のろまな牝牛たちはモーモーといいながら
悪い花の秋の広い野原を捨てて二度と帰らない
(Guillaume Apollinaire, Les colchiques)