I
青い太陽が赤いコケードをかぶり
本日、合衆国を歩いていました。
どんな目にも見届けられないほど背が高く、
どんな人間がそうありうるよりも年老いて。
彼は旗や自動車工場周辺で
人々が作るピケラインを捉えた。
彼の物腰が人々をなだめた。彼が鉄板を切ると
乱暴なぐにゃぐにゃの線になった。ドリルした。
彼の赤いコケードがパレードをしめくくった。
彼のその物腰はあらゆるものに及んでいた、
彼が投げ捨てていった緑がかった植物にも
彼の心の中のピアノの音にも。
II
ソランジュ、私が話しかけたマグノリア、
ニガーの名前をもつニガーの樹木、
それにむかって私は話しかけた、そのそばに立って話した、
わたしはソランジュ、美しく響く悲嘆、と彼女はいった。
わたしは冬の終わりの毒、
しおれた天気、しわくちゃの雲とともに服用すれば、
しかめつらの精神の惨めさを隠します。
紫の芳香を吸いこみなさい。それは
ほとんどニガーの断片、秘訣(ミスティック)となるのよ、
知性により行き場をなくしている精神には。
一年にはそんな一瞬があるね、ソランジュ、
深く吸いこんだ空気が生命をまた一年分もたらしてくれることが。
(Wallace Stevens, The News and the Weather)