Saturday 11 October 2008

怒ったある神が(スティーヴン・クレイン)

怒ったある神が
ひとりの男を打っていた。
地球上のいたるところに
轟きわたる打撃で
彼をぴしゃりと打ちすえていたのだ。
すべての人々が駆け寄ってきた。
男は悲鳴をあげ、もがき、
神の足に狂ったように噛みついた。
人々は叫んだ。
「ああ、なんて性根の悪い男だ!」
そして----
「ああ、なんと畏怖すべき神さまでしょう!」

(Stephen Crane, "A god in wrath")