Wednesday 1 October 2008

あるさびしい場所で(スティーヴン・クレイン)

あるさびしい場所で、
私はひとりの賢者に出会った、
腰を下ろし、じっとしたまま、
彼は新聞を見つめていた。
彼は私に話しかけた、
「これはいったい何でしょうかな?」
それで私は自分のほうが、この賢者よりも偉大、
そう、より偉大なのだと知った。
私はただちに彼に答えた。
「ご老人、ご老人、これは時代の英知というものですよ」
賢者は賞讃の目で私を見上げた。

(Stephen Crane, "In a lonely place")