Wednesday 27 August 2008

泥の達人(ウォレス・スティーヴンズ)

春の泥水の川が
歯をむきだして唸っている
泥の空の下で。
心が泥だ。

それなのに、心にとって、ふくらむ
緑の新しい土手は
そうでない。

黄金の空の側では
そうでない。
心が唸る。

ピッカニーン(黒んぼの子供)のうちいちばん黒いやつ、
そいつが泥の達人です。
光の筋が
遠くで、空から地へと降っているが、
それがそいつだ----

桃のつぼみの作り手、
泥の達人、
心の達人。

(Wallace Stevens, Mud Master)