Tuesday 26 August 2008

青いギターをもった男30(ウォレス・スティーヴンズ)

これから私は人間を進化させる。
これが人間の本質だ。古い腕人形(ファントッシュ)なのだ。

風に自分のショールをかけている、
まるで舞台上にいる何かみたいに、頬をふくらませ、

彼の気取った歩きぶりは何世紀にもわたって研究されてきた。
そしてついに、彼の物腰にもかかわらず、彼の目は

重い電線を支える電柱の
横木に止まり、Oxidiaという

ありふれた郊外を投げ捨てた。
分割払いは半分支払済み。

朝露をはずませる受け狙いの演技が
機械の上のぞんざいな山から炎を噴いている。

見よ(ecce)、Oxidiaとはこの
琥珀色の燃えさしみたいなさやからこぼれた種子にすぎない、

Oxidiaとは火の煤のこと、
Oxidiaとはオリンピア。

(Wallace Stevens, The Man With the Blue Guitar)