Monday 25 August 2008

青いギターをもった男25(ウォレス・スティーヴンズ)

彼は世界を彼の鼻の上に載せ
そしてこんなふうにして彼は投げ捨てた。

彼の衣裳と象徴ときたら、あいやいやい----
そしてそんなふうにして彼は世界をくるりと回した。

樅の木のように暗く、液体の猫たちが
音を立てずに草の中で動いた。

草がぐるりと回っていることをかれらは知らなかった。
猫は猫を捕らえ草は灰色になり

世界は、あい、こんなふうに、諸世界を捕らえた。
草は緑になり草は灰色になった。

そして鼻は、あんなふうに永遠なのだ。
あるがままの事物、あるがままの事物、

いつかしだいにそうなるであろうがままの事物......
一本の太い親指があいやいやいと拍子をとる。

(Wallace Stevens, The Man With the Blue Guitar)