Wednesday 23 July 2008

ふたつの梨の習作(ウォレス・スティーヴンズ)

I
Opusculum paedagogum.
梨はヴァイオルではない、
ヌードでも瓶でも。
それは他の何にも似ていない。

II
それは黄色いかたちで
曲線でできていて
下の方がふくらんでいる

III
それは曲線の輪郭をもつ
平らな表面ではない。
まるくて
上にむかうにつれて細くなる。

IV
それはところどころ青が入るように
できている。
一枚の硬く乾いた葉が
茎からぶらさがっている。

V
黄色がきらめく。
さまざまな黄色をもってきらめく、
レモン色、オレンジ色、緑
果皮の上に花ひらく。

VI
梨の影は
緑の布の上のしみ。
梨は見る者がそう望む
ようには見られない。

(Wallace Stevens, Study of Two Pears)