Thursday 3 July 2008

ヴィーナス(ロルカ)

  こんな風にきみが見えた。

 ベッドという貝殻で
死んでいる若い女、
花も微風も脱がされて
終わりなき光の中に現れる。

 取り残されたのは世界、
綿と影の百合、
ガラス窓から姿を見せた
無限の通過を見つめながら。

 死んだ若い女は、
愛を内側から渡ってゆく。
シーツの泡のあいまに
彼女の髪が見えなくなる。

(Federico García Lorca, Venus)