Tuesday 25 March 2008

月が顔をのぞかせる(フェデリコ・ガルシア・ロルカ)

月が出るとき
鐘はすべて失われ
歩み入ることのできない
小径が現れる。

月が出るとき、
海が大地をおおい
心はみずからを
無限の中の島だと感じる。

満月の下でオレンジを
食うやつなんていない。
緑色の冷たい果実を
食べるのがふさわしい。

百のおなじ顔をもって
月が出るとき、
財布の中では銀貨が
ぐすぐす泣いている。

(Federico García Lorca, La luna asoma)