Wednesday 12 March 2008

サエタ(フェデリコ・ガルシア・ロルカ)

黒いキリストが
通り過ぎる
ユダヤの百合から
スペインのカーネーションへ。

見ろよ、彼がどこからやってくるのか!

スペインからさ。
透き通った暗い雲
焼けた大地、
とてもゆっくりと水が流れる
川床。
黒いキリストは
焼けたたてがみをもち
尖った頬をして
その瞳は白い。

見ろよ、彼がどこに行くのか!

(Federico García Lorca, Saeta)

*サエタは無伴奏のフラメンコの歌で、多くはキリストの受難を讃えて歌われる。