Tuesday 26 February 2008

陽が沈んだ(フェデリコ・ガルシア・ロルカ)

          1920年8月

 陽が沈んだ。
       木々は
彫像のように考え込んでいる。
小麦は刈り取られた。
停まった水車の
何というさびしさ!

 田舎の犬が
ヴィーナス(美神=金星)を食いたがって、彼女に吠えかかる。
彼女は口づけ以前の野の上で輝く、
巨大なりんごのように。

 蚊たちーー露のペガサスたちーーが
飛ぶ、しずかな空気の中で。
光の巨大なペネロペが
明るい夜を編む。

 「私の娘たちよ、眠りなさい、狼が来るよ」
子羊たちが啼く。
「もう秋になったの、みんな?」
しおれた花がいう。

 羊飼いたちが巣をもってやってくるだろう
遠い山から!
小さな娘たちは古い宿の
戸口で遊ぶだろう、
そして家々は愛のコプラ(アンダルシア民謡)を歌う
もうとっくに
覚えてしまったそれを。

(Federico García Lorca, Se ha puesto el sol)