Friday 15 February 2008

日曜の朝 1(ウォレス・スティーヴンズ)

なんともひとりよがりな部屋着、日向の椅子に
すわって遅いコーヒーとオレンジ、
そして敷物の上のオウムの緑色の自由の
すべてが入り交じって 追い散らすのだ
古代の供儀の聖なる沈黙を。
彼女はわずかに夢見る、あの古い
カタストロフィが暗く浸食してくるのを、
水の光の中でひとつの静寂が暗くなるにつれて。
つんとくる匂いのオレンジと明るい緑の羽根は
どこかの葬礼の行列に参列しているもののようだ、
広大な水を超えて蛇行してゆく、音もなく。
その日それ自体が広大な水のようで、音もなく、
彼女の夢見る両足の通過のために静止させられているのだ
海を越え、沈黙のパレスチナにむかって、
血と墓の所領にむかって。

(Wallace Stevens, Sunday Morning 1)