Sunday 10 February 2008

列車に乗った意気地なし(トマス・ハーディ)

朝の九時にひとつの教会が通過した、
十時には浜辺が私を行き過ぎた、
十二時には煙と煤の町が、
二時には樫と樺の森が、
  そして、ある駅のプラットフォームに、彼女、

まばゆい未知の人だ、彼女が見ていたのは私ではなかった、
私はいった、「彼女に会うために降りてゆこうか、勇気を出して!」
でも私はすわったまま口実を探していて、
車輪はそのまま進んだ。ああもしあのとき
  あそこに降りることができたなら!

(Thomas Hardy, Faintheart in a Railway Train)