Wednesday 20 February 2008

日曜の朝 6(ウォレス・スティーヴンズ)

天国では死による変化はないのだろうか?
熟れた果実も落ちない? あるいは枝が
あの完璧な空にいつも重く垂れ下がり、
変わることなく、でもやはり私たちの崩れつつある地上に似て、
川は私たちの川とおなじく海を探しては
けっして見つからず、われわれのものとおなじく遠ざかる岸辺が
言葉ではいいあらわせぬ痛恨をもたらすこともないのか?
なぜそんな岸辺に梨を盛ったり
あるいは岸辺をプラムの匂いで飾ったりするんだ?
あーあ、あっちでかれらがこちらとおなじ色や、
私たちの午後とおなじ絹織物を身につけたり、
われわれの無味乾燥な竪琴の弦をつまびくとは!
死こそ美の母、神話的な、
その燃える乳房のうちに 私たちは地上のわれらが母たちを
作り上げる、眠りもないままに待つ彼女らを。

(Wallace Stevens, Sunday Morning 6)