Monday 4 February 2008

のどを痛めていた男(ウォレス・スティーヴンズ)

一年のうち今がいつかはどうでもよくなった。
夏の白カビもしだいに深くなる雪も
私が知っている日課の中では似かよっている。
私はあまりにも無言で自分の存在に閉じこめられている。

夏至や冬至につきものの風が
各地の首都のシャッターに吹きつける、
眠っている詩人を動揺させることはなく、村々で
大げさな想念を鐘のように鳴らす。

日常生活の病......
おそらく、もし冬がいちどでも
そのあらゆる紫をつらぬいて、凍てつく靄の中で荒涼と
耐える最後のスレートの屋根板にまで達するなら

そのとき人はより少なく臆病になって、
そんな白カビからも よりきれいなカビを引き抜き
寒さの新しい式辞を噴き出すのかもしれない。
そうかも。そうかも。だが時が態度をやわらげることはない。

(Wallace Stevens, The Man Whose Pharynx Was Bad)