Sunday 22 June 2008

七つの森で(W・B・イェイツ)

私は七つの森の鳩たちを聞いた
かれらの弱々しい雷鳴を、そして庭の蜂たちが
ライムの花の中で羽音のうなりを上げ、心を
空っぽにする古くて苦い思いの無益な
叫びを忘れさせてくれるのを。私はしばらくの間
故国を追われたタラを忘れ、王位についた
新たな民衆が街路で叫び
柱から柱へと紙の花をかけているのを忘れた、
あらゆる事物のうちでよろこんでいるのはかれらだけ。
私はこれに甘んじているのだ、なぜならあの「しずかな人」
が笑いながらさまよい、彼女の野生の心臓を
鳩や蜂に囲まれつつ食っているのを知っているから。
そして自分が射る番を待つばかりの「偉大な弓使い」が
いまなおペアクナリーの上に
曇った震えを架けているから。

(W.B. Yeats, In the Seven Woods)