Sunday 22 June 2008

恋人が死んでいればよかったのにと彼は願っている(W・B・イェイツ)

きみが死んで冷たく横たわっていてくれたなら、
そして光がいくつも西の空に弱く灯りゆき
きみがここに来て、すっかりうなだれ、
ぼくはきみの乳房に頭を寝かせて。
きみはやさしい言葉をつぶやくのだ、
ぼくを赦して、なぜならきみは死んでいるから。
きみは立ち上りさっさと立ち去ることもしない、
野鳥の意志をもつきみではあるが、
だがきみ自身の髪が星々と
月と太陽にむすばれ絡みついていることは忘れない。
おお、もしきみが、恋人よ
地表の雑草の下に横たわっていてくれたなら、
星々の光が弱く、ひとつまたひとつと灯るとき。

(W.B.Yeats, He wishes his Beloved were Dead)