Wednesday 4 June 2008

枯れたオレンジの木の歌(ロルカ)

 カルメン・モラレスに

 木こりよ。
私の影を伐って。
果実をつけない自分を見ることの
苦しみから解放して。

 なぜ私は鏡に囲まれて生まれたのだろう?
日は私のまわりをめぐる。
そして夜は私を写しとる
彼女のすべての星をもって。

 私は自分を見ることなく生きたい。
すると蟻やタンポポの冠毛のことを
私は自分の葉であり小鳥であると
夢見ていられるのに。

 木こりよ。
私の影を伐って。
果実をつけない自分を見ることの
苦しみから解放して。

(Federico García Lorca, Canción del naranjo seco)