Monday 9 June 2008

展望(ロルカ)

私の目の中で
難解きわまりない歌が開く
けっして開花することのない
種子の歌。

誰もが非現実の
しかし明瞭な終わりを夢見ている。
(小麦は巨大な
黄色い花を夢見ている。)

誰もが影の
奇妙な冒険を夢見ている。
近づきえない果実と
飼いならされた風。

誰もお互いを知らない。
盲目で、脱線して。
永遠に閉じこめられたままの
香りが人々を苦しめる。

種のひとつひとつが
系統樹を考えている
その新芽や房により
空のすべてをおおう樹木を。

空中には信じがたい植生が
どこまでも広がっている。
黒く大きな枝と
灰の色をした薔薇。

花々や枝により
ほとんど溺れかけた月が
銀の蛸のように
その光線で身を守っている。

私の目の中で
難解きわまりない歌が開く
けっして開花することのない
種子の歌。

(Federico García Lorca, Perspectiva)