二十人の男が橋をわたって、
村に入ってゆくというのは、
二十人の男が二十の橋をわたって、
二十の村に入ってゆくことか、
あるいは一人の男が
ひとつの橋をわたってひとつの村に入ってゆくということだ。
こんなのは古い歌で
みずから名乗りを上げたりはしない...
二十人の男が橋をわたって
ひとつの村に入ってゆく
それは
二十人の男がひとつの橋をわたって
ひとつの村に入ること。
それはみずから名乗りを上げることはないが
確実な意味がある...
男たちのブーツは橋の
板の上でどんどん音を立てる。
村の最初の白い壁は
果実のなる木々を抜けて立ち上がる。
私は何を考えていたんだろう?
これで意味は逃げてゆく。
村の最初の白壁...
果実のなる木々...
(Wallace Stevens, Metaphors of a Magnifico)