老いた茶色いめんどりと老いた青空、
両者のあいだで私たちは生き、かつ死ぬーー
丘の上の壊れた荷車の車輪。
あたかも、海を前にして、
網を干し帆をつくろって
終りなき物事のことを話しているかのようだ、
終りなき意志の嵐について、
ひとつの意志と数多くの意志の、そして風、
葉叢の中の数多くの意味の、
軒下の一枚の葉へと引き下げられた意味の、
それはその嵐を、農場へと、
トルコ石色をしためんどりと空の連鎖へと、
そして荷車が通過する際に壊れてしまった車輪へと、
むすびつけるもの。軒下にあるのは声ではない。
言葉ではないのだ、われわれがこの
会話の中に聞くのは。そうではなくて
事物とその動きの音。もう一人の男、
トルコ石の怪物が動きまわる音。
(Wallace Stevens, Continual Conversation With a Silent Man)