それがきみのやり方だったね、
ひとこともいわずに姿を消すのが
訪ねてきた友人とか親戚なんかが
帰ってゆき、おれが急いで中に入って
きみのところに戻るつもりでいても。
そしてきみがどこかーーたとえば町にーー
急いで出かけるとなると
きみはあっというまにいなくなった
おれがそんなこと思いもしないうちに、
きみのトランクが出しっ放しだと気づきもしないうちに。
それで今、きみがそんな
すばやいスタイルで 永遠に消えてしまった今、
きみがいいたいことはおれには
昔どおり ちゃんとわかるよ
「さよならなんてわざわざいうほどのことじゃないわ!」
(Thomas Hardy, Without Ceremony)