Tuesday 30 December 2008

雨の中の家(エウジェニオ・デ・アンドラーデ)

雨だ、またオリーヴの林に雨が降る。
なぜこの午後降るのかがわからない
私の母はすでに去ってしまったのに、
もうベランダに出て雨が落ちるのを見ることもない、
もう編物をする手もとから目を上げることもない、
こうたずねるために。「聞こえるかい?」
聞こえるよ、母さん、また雨だね、
雨が母さんの顔に降っている。

(Eugénio de Andrade, Casa na chuva)