Tuesday 2 December 2008

まるで石が(エウジェニオ・デ・アンドラーデ)

まるで石が歌っているかのように
聴いた。人間たちの
手の中で歌っているかのように。
血か鳥のつぶやきは
空中を翔け、石ころのように歌う。
暗い両手の中の
石ころだ。人間の熱により
温められる、
人間の熱意により。まるで
はらわたから喉元まで
こみあげてくる
ごく小さな、命に限りのある
光のように
人間の死すべき
運命。それが石とともに歌うんだ。

(Eugénio de Andrade, Como se a pedra)