月はまんまる。
そのまわりに、鏡の
水車。
そのまわりに、水の
水車。
月は薄く剥がれる
白金のパンのように。
月は
はらはらと葉を落とし
たくさんの月になる。
泉の群れが
空を飛ぶ。
それぞれの泉に
死んだ月が落ちている。
月は
澄んだ奔流の中で
光の杖となる。
月は、
割れた大きなガラス窓のように、
海に落ちる。
月が
無限の屏風を
通過する。
でも「月」は? でも「月」は?
(空では、
残されているのは
小さな結晶たちが作る車輪だけ。)
(Federico García Lorca, Juego de lunas)