Saturday 31 May 2008

ヴェルレーヌ(ロルカ)

 けっして話さないけれど
その歌が、
ぼくの舌先で眠ってしまったんだ。
歌が、
けっして話すつもりのない歌が。

 スイカズラの上には
一匹の蛍がいて、
月は水を照らしつつ
ちくちくと光った。

 そのときぼくは夢見た、
その歌、
けっして話すつもりのない歌を。

 遠い河床から流れてくる
唇にみちた歌。

 影に失われた
時間でいっぱいの歌。

 生きた星の歌
いつまでも続く昼間の上の。

(Federico García Lorca, Verlaine)