Saturday 10 May 2008

四つの黄色いバラード(3)(ロルカ)

 黄金の畑に
 赤い牡牛が二頭。

牡牛たちは古い
鐘のリズムと
小鳥の眼をもっている。
霧の朝むきだが、それでも
夏の空気のオレンジを
つらぬいてゆくのだ。
生まれたときから老いていて、
主人などいない。
そして脇腹に生えた
翼を思い出している。
牡牛たちは
いつもルートの畑を
ためいきをつきながら行く
浅瀬を探しながら、
あの永遠の浅瀬を、
星明かりに酔って
すすり泣きを食みつつ。

 黄金の畑に
 牡牛が二頭。

(Federico García Lorca, Cuatro baladas amarillas III)