Wednesday 19 November 2008

ひとりの男が奇妙な神の前に出た(スティーヴン・クレイン)

ひとりの男が奇妙な神の前に出た、----
多くの人間の神、さびしくも賢明な。
すると神さまは大音声で叫んだ、
怒りに顔をふくらませ、息を切らしながら。
「ひざまずけ、死すべき者どもよ、そして萎縮し
はいつくばり讃えるがいい
私という格別に崇高な存在を」

          男は逃げた。

それから男は別の神のところに行った、----
彼自身の内面の思考の神だ。
この神は彼のことを
無限の理解に輝く
柔和なまなざしで見た、
そしていった。「かわいそうなわが子よ!」

(Stephen Crane, "A man went before a strange god")