Wednesday 26 November 2008

ひとりの男が燃える道であくせく働いていた(スティーヴン・クレイン)

ひとりの男が燃える道であくせく働いていた、
けっして休まず。
あるとき彼は見た、肥えた、ばかなロバが
緑の場所から彼にむかってニヤニヤ笑っているのを。
男は怒ってどなった。
「ああ、おれを嘲るなよ、馬鹿め!
おまえのことは知っている----
一日中腹に餌をつめこみ、
心を草や
やわらかい芽のあいまに埋めている。
だがそれだけでは足りないぞ」
だがロバはただ緑の場所から彼にむかってニヤニヤ笑っただけ。

(Stephen Crane, "A man toiled on a burning road")