Thursday 27 November 2008

男と女がいて(スティーヴン・クレイン)

I
男と女がいて
罪を犯した。
それから男は罰をすっかり
女の頭上に浴びせ、
陽気に立ち去った。

II
男と女がいて
罪を犯した。
男は彼女のかたわらに立った。
彼女の頭にも、彼の頭にも、
打撃が加えられ、
人々はみんな叫んだ。「馬鹿者!」
彼は勇敢だった。

III
彼は勇敢だった。
きみは彼と言葉を交わしてくれますか、友人よ?
ところが、彼は死に、
きみにその機会はもうないのだ。
悲しんでください、
彼は死に
きみの機会が失われたことを。
というのも、その点において、きみは卑怯者だったのだから。

(Stephen Crane, "There was a man and a woman")