石壁のそばにいる二人は
死のくだらない一部だ。
草はまだ緑。
けれども完全な死、
破滅、ひどく高くかつ
深い死があって、すべての表面をおおい、
心をみたす。
ここにいるのは死の小さな町民たち、
ひとりの男とひとりの女で、木に
しがみつく二枚の木の葉のようだ、
冬が凍りつき黒く成長する前にーー
ひどく高くかつ深く
何の感情もなく、しずけさの領分として、
そこではやつれはてた人影が、一個の楽器をもって、
空白の最後の音楽を提供している。
(Wallace Stevens, Burghers of Petty Death)