Tuesday, 9 September 2008

歌(エウジェニオ・デ・アンドラーデ)

きみは雪だった。
愛された白い雪。
夜明けの閾にいる
涙とジャスミン。

きみは水だった。
口づけすれば海の水。
高い塔、魂、舟、
始まりも終わりもしない別れの挨拶。

きみは果物だった
私の指の中で震える。
ぼくらには歌うことも
飛ぶこともできた、死ぬこともできた。

けれども五月が
飾り立てたその名の
色彩も
味も残らなかった。

(Eugénio de Andrade, Cançao)