魂は、雁たちよ、森を越えて飛ぶ
風の不和のはるかに向こうまで。
太陽から青銅の雨が降ってきて
夏の死を刻む、それを時間は
黄金の逃げ口上とパフォスの戯画にみちた
心のない遺言を走り書きする者のごとく耐え忍ぶ
きみの白い羽を月へと遺贈し
きみのおだやかな動作を空気に与えながら。
見よ、すでに長い行列をはじめた
からすたちは彫像に糞の聖油を注ぐ。
そして魂は、雁たちよ、さびしくて
きみたちの肌寒い馬車の彼方の空へと飛んでゆくのだ。
(Wallace Stevens, Invective Against Swans)