牡鹿たちが足音を立てて
オクラホマをかけぬけるたび
一匹の火猫が毛を逆立たせて立ちはだかった。
どこに行っても、
群れは足音を立て、それは
すみやかな、環状の線を描いて
かれらが右に逸れるまで変わらなかった
火猫のせいで。
あるいはすみやかな、環状の線を描いて
かれらが左に逸れるまで変わらなかった
火猫のせいで。
牡鹿たちは足音を立てた。
火猫は跳んだ、
右へ、左へ、
そして
毛を逆立たせて立ちはだかった。
それがすむと、火猫は明るい眼を閉じ
眠った。
(Wallace Stevens, Earthy Anecdote)