黄金の畑に
赤い牡牛が二頭。
牡牛たちは古い
鐘のリズムと
小鳥の眼をもっている。
霧の朝むきだが、それでも
夏の空気のオレンジを
つらぬいてゆくのだ。
生まれたときから老いていて、
主人などいない。
そして脇腹に生えた
翼を思い出している。
牡牛たちは
いつもルートの畑を
ためいきをつきながら行く
浅瀬を探しながら、
あの永遠の浅瀬を、
星明かりに酔って
すすり泣きを食みつつ。
黄金の畑に
牡牛が二頭。
(Federico García Lorca, Cuatro baladas amarillas III)