ローマ街道はまっすぐ剥き出しで続く
髪の毛の青白い分かれ目のように
ヒースの荒野を。そして思慮深い人々は
現在と過去の日々を対照させ、
調査し、計り、比較する。
がらんとした空中に現われるのは
兜をかぶった兵士たち、誇らしく
鷲の軍旗についてゆく、ふたたび歩みつつ
このローマ街道を。
けれども背が高い 真鍮の兜の兵士が
私のために出現することはない。私の視界に
立ち上がるのは母の姿、
幼児である私の歩みをみちびいてくれるのだ
かつて二人で歩いたときのように、古代の道
このローマ街道を
(Thomas Hardy, The Roman Road)