I
これはカッコウが好む天気で
私も好きだ。
驟雨が栗のイガを落とし
鳥のひなを飛ばす。
小さな茶色いナイチンゲールがおめかしして
「旅人亭」の外ですわり
女中たちは小枝模様のモスリンを着てやってきて
市民たちは南と西の夢を見る。
私もそうする。
II
これは羊飼いがいやがる天気で
私もいやだ。
ブナからは茶色と灰褐色のしずくが落ち
激しく打ち、枝がゆれる。
丘に隠れた潮はずきずきと痛み
牧場には小川があふれ
門の柵にはしずくが垂れ下がり
ミヤマガラスの家族が家路につく。
私もそうする。
(Thomas Hardy, Weathers)