Monday 31 December 2007

白鳥に対する罵倒(ウォレス・スティーヴンズ)

魂は、雁たちよ、森を越えて飛ぶ
風の不和のはるかに向こうまで。

太陽から青銅の雨が降ってきて
夏の死を刻む、それを時間は

黄金の逃げ口上とパフォスの戯画にみちた
心のない遺言を走り書きする者のごとく耐え忍ぶ

きみの白い羽を月へと遺贈し
きみのおだやかな動作を空気に与えながら。

見よ、すでに長い行列をはじめた
からすたちは彫像に糞の聖油を注ぐ。

そして魂は、雁たちよ、さびしくて
きみたちの肌寒い馬車の彼方の空へと飛んでゆくのだ。

(Wallace Stevens, Invective Against Swans)