きみはこのごろは一緒に歩いてくれなかったね
あの門の先の道を
丘の上の木まで。
むかしみたいには。
きみは弱り足もきかないので、
とても一緒には来られなかった、
それでおれはひとりで歩いたが、気にもしなかったのさ、
きみを置いてきたつもりなんてまるでなかったので。
きょうもおれはあそこまで歩いてみた
いつもやっていた通りさ。
あたりを見渡した
よく知っている土地を
またきょうもひとりで。
だったら違いは何だ?
ただあの隠された感覚だけ、あそこから
戻ったとき、はたして部屋はどんな風に見えることか。